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Author:風沙
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最近は、香港明星トニー・レオンさんのファン。

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テラス・シャンブロウ
きままに独り言・・・
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半身
ゴシック・ミステリーというジャンルかな。
作者のサラ・ウォーターズは凄い大物新人として期待されている人だそうです。
私のツボではないのですが(笑)好きな人はハマる世界だと思います。


。。。。。。少しネタバレします。。。。。。。。。。



18世紀のイギリスのムードが漂います。
舞台は、陰鬱で不潔な監獄と、富裕な上流家庭の屋敷。
ほとんどその二つをいったりきたり。
慰問の名目で、その監獄を訪れた婚期をすぎた令嬢が、ふと気になった
美しい女囚。
彼女は、霊媒だった・・・

監獄とお屋敷。対照的に見えるこの場所。
しかし話が進むにつれ、令嬢も実は女囚のように、冷ややかな世間の目や厳格な親に縛られていることが見えてきます。
狭い鳥かごの中で、世間知らずのまま、あまりにも規範に縛られ自己を抑圧しているために、その反動は強烈で理性を吹き飛ばします。
自分の欲望と普段から、よく向き合い解放しておく事は必要なんだななどと考えさせられました。
恋はもともと危険をはらんでいるものですが、この結末の痛々しさはたまらないものがあります。

事情通の友人に言わせると、同性同士の恋人の嫉妬は激しいとか。
「ブロークバック・マウンテン」でも、異性と浮気しても許せるけれど
同性ならば殺す、なんて台詞があったような・・・
この小説の最後を飾る一つの台詞も、「支配」もしくは「所有」を意味する言葉です。

「束縛」に「支配」、この作者は、少しフェチ的かも(笑)
西洋の映画や小説を読んでいると、よくこの「支配」とか「被支配」の感覚を感じる時があります。
それに濃厚な性の匂いが絡んでいます。
知らないだけかも知れませんが、日本の作品でそれを感じることは少ないような気がする。
日本人の性は、もっと淡白というかあまり「支配」「被支配」にはこだわりがないように思います。
骨格的に男女の性差が少ないこととも関係あるかもしれない、なんて考えているのですが・・・

それにしても、この小説を読むと、使用人に対する認識が変わりますね~
彼らはご主人さまの言いなりのイメージがあったのに、これを読んで実は逆の場合もあることを知りました。
確かに流行のメイド喫茶を見ていても、メイドはかしづいているように見えて、実は客を思うままに支配しているのかもしれない・・・(笑)
作風が、萩尾望都の世界を思わせるという意見もありましたが
確かに通じるところもあるけれど、萩尾作品に不可欠な「透明感」とは、まったく違う世界です。


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小説「白夜行」
◎ネタバレします!まだ読んでない方は、絶対読んでから。。。。。


厚い文庫本ですが、一気に読んでしまいました。久しぶりに緊迫感を感じつつ、ページを繰る手が止まらない(笑)
今枝探偵には、思わず「危ない!甘く見てるとやられるよ」と、声をかけてしまったほど・・・案じた通りになってしまいましたが(泣)

こんなに抑制の効いた哀切なラストは、あまり読んだことがありません。
本当に最後の最後になってようやく、かっての少年少女と刑事は一堂に会することに・・・「R&Y」二人の夢の店で。
なんという長く、ほの昏い旅路だったのか・・・

読み終わってふと浮かんできたのは、まったく別の話ですが、萩尾望都さんの「ポーの一族」でした。
主人公のエドガーとメリーベルの幼い兄妹は、無理やりバンパネラ(バンパイア)の一族に引き入れられてしまい、成長が止まった姿のまま、長い時を旅する事になってしまう。
人々を殺め血を吸う事と引き換えに永遠の命を約束された、呪われた存在。彼らは国を越え、時代を超えて変わらず生き続ける。
その横で、普通の人間たちは成長し、年を取り、死んでゆく。
「永遠に生きること」一見それは、幸せなことに思えます。
しかし、この漫画を読むと、「止まった時に縛られた」バンパネラたちの方が実は不幸で哀切なものに思えます。
そして、大きな生命の流れの中で繋がりながら、生まれて生きて死んでゆく、はかない人間たちの方にこそ、「本当の永遠」があることを知らされます。

罪を背負った雪穂と亮司の周囲を、多くの人々が通り過ぎていきます。
ある者は騙され利用され、ある者は殺され、ある者は疑い又ある者は何も知らぬまま幸せになったり・・・
「白夜行」が味わい深いのは、こうした周囲の関わりあう人達一人一人の人生の局面、時の流れが、細やかに描かれていることでしょう。
どの人もそれなりに一生懸命に・・けなげに。どの人もその後、どうなったのだろうと気にかかってしまいます。

メリーベルを失ったエドガーのように、雪穂は亮司を失っても生きていくしかないようですね。
雪穂も亮司も、幼い時に受けた傷を犯罪で繰り返しているのが、やるせない。
どの事件も惨いですが、一番ぞっとしたのはやはり、再婚先のなつかない娘・美佳の事件。
雪穂の魔性が、思い切り剥き出しになった瞬間です。
自分がされたことをする・・・まさに負の連鎖。
私の希望としては、時を経て成長した美佳が、すべてを察知して雪穂を滅ぼし、終わらせてやって欲しいな。
どうか負けないで強く育ってほしい。

それにしても最近、雪穂や亮司を生み出す土壌が、増えているような気もして怖いです。
子供たちにあんなつらい旅路を歩ませることなく、無邪気に笑って過ごせる家庭を提供できる親・・・目立たないけど、今の時代はそうした親こそ神かもしれない。


光の帝国
恩田陸さんの本は、確か初めて。
常野の一族という特殊能力を持った人々の物語。
それぞれ時代や主人公の違う短編がいくつか並んでいます。
そのせいか、なんとなく背景にもっと大きな流れがあるところから、少しずつすくい取ったような、よく出来た予告編の集まりみたいな印象もあります。

最初の、膨大な書物を「しまう」能力を持った家族の話は、もっと読んでみたい気がしました。
この話は、読書好きな人なら、感じるものがあるんじゃないでしょうか。
本を、活字を読む喜び・・・そしてその世界を感じ取り、自分の中に取り込み、味わう・・・そのことの至福。
この家族ほどの力は持っていないにしろ、本を読む者には「響いて」(笑)くる話だと思います。
最後の少年の語りかけは、暖かく切なく胸に残りました。
誰かが永遠に憶えていてくれる・・・そこにいたことを。
それは、幸せなことなんだろうな。

あと好きなのは、「オセロ」という短編。
日常に突然侵入してくる異界の者と、毎日見えない戦いを続けている女性。小さな娘を抱え、夫は既に連れ去られて行方不明。
このお母さんが、カッコイイ。
お話の中でも「グロリア」に例えられていたけれど、女性版ハードボイルドです。精神戦ですが(笑)
これは是非長編にしてもらって、映像化でも観てみたい気がしました。

読み終わって、ふと同じ雰囲気で連想したのは、萩尾望都さんの「ポーの一族」。
だけど、ポーの一族の方は、人間たちの血を吸って存続するという特性のせいで、存在自体が悲劇性を帯びてたのに比べ、常野の一族は、特殊能力だけなので穏やかですね(笑)



シャンブロウ
シャンブロウは、遠い昔に呼んだSF小説「大宇宙の魔女」に出てきた魔女の名前。
宇宙海賊の二人組の男たちが、いろんな宇宙都市で事件に巻き込まれ・・・みたいな展開でした。
あるさびれたモーテルで、男に拾われた魔女は、恐ろしくも甘美な返礼を・・・(続く笑)
松本零士さんの麗しい挿絵がついてて、さらに雰囲気を盛り上げたものです。

あれから、旅先にこの文庫本を持っていくのが、しばらく習慣になっていました。
旅の気分に良く合う感じ。
残念ながら本が傷んでしまったので、もう止めましたが。

どこか遠くへ行きたいな。
そこには妖しい魔女がいて、もう還れないのかも知れないけれど・・・



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