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Author:風沙
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テラス・シャンブロウ
きままに独り言・・・
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TAKESIS'
。。。。完全にネタバレしますので注意~!!


夢の断片のパッチワーク・・・というより、夢の入れ子細工かな。ロシアのマトリューシカ人形みたいに夢の中にまた夢が入ってる構造。
でも「マルホランドドライブ」のように甘美で怖い毒に酔わせてはくれない。
シラジラと寂しい夢。
奥行きのない蛍光灯の光の下で、受けないギャグをえんえんと演じてるようなどこか寒い雰囲気が漂う。

世界的映画監督の「たけし」と、売れない芸人の「たけし」。
成功した監督としてやたらに周囲から持ち上げられるのも、コンビニ店員をしながらオーディションに落ち続けるのも、どちらも居心地が悪そう。
二人のたけしの状況は、やがて混じり合ってくる。
売れないたけしがタクシー運転手のバイトをしていると、太った二人組みやら、売り込みの人が無理やり乗ってきて、ギュウ詰めになって、死体がバタバタ倒れているのを除けながら、暗い道を走って、結局は崖から落ちたり。
このへん特に、皆にすがられ頼られ過剰に期待される「たけし」という存在のツラさを感じました。
それでも、振り捨ててゆく訳にはいかない。
面倒くさいしがらみや義理や責任を背負いながら、ヨロヨロ走り続けるしか残された道はない・・・

銃を手に入れたあたりから、売れないたけしが「力」を得て暴走を始め、最終的には監督たけしを刺すに至る。・・・が、それは監督たけしが、刺青の絵を背中に描かれている間にうたたねして見た夢だった・・・と見えたが、実はすべてが、映画の冒頭でアメリカ兵の前で死んだ振りをして倒れている日本兵たけしが撃ち殺される前に見た一瞬の夢だったんじゃないのか・・・・?で、終わる。

無常観ていうのか。
戦後の貧しさの中で少年時代を過ごし、売れない芸人として浅草時代を経験して、お笑いブームに乗ってバカ当たり、映画を撮ったら意外にも海外の映画祭で賞を取ったりして、ふと気がつくといつのまにか凄い文化人みたいに祭り上げられてる違和感。
日本ではちっとも客が入らない映画が、「ベネチア映画祭で賞取った」というハクをつけると、とたんに見直されたりする薄っぺらさ(笑)
島国根性なのか、誰か一人が成功すると、すぐに神みたいに持ち上げて期待され無理やり虚像を押し付けられ、わらわらと寄りかかってくる・・・俺はそんなに背負いきれないよ。
あ~ぁ、みんな粉々にぶっぱなしてーよ・・・
そんな、つぶやきが聞こえてきそうな(笑)

京野ことみさんは、そんなたけしに寄り添ってついてきてくれる、優しい(理想の?都合のいい?笑)夢の女。
でも、いつか不意に、違う男とどこかへ行ってしまうかも知れない不安がある。
本当に最後の最後まで離れないのは、たぶんあの女・・・たけしが名声を得た監督だろうと、ただのコンビニ店員だろうと変わりなく、容赦なく罵声をあびせ叱咤する岸本加代子。
たけしが銃を振り回して暴力に酔いたいと思っても、彼女は変わらない。いつも冷水を浴びせるような言葉や行動で現実に引き戻す。
何故、彼女だけ違うのだろう。
それはたぶん彼女が「舞台裏を知ってる」特別な女だから。
かっこつけてみたって、しょせん元は洟垂れ小僧。
情けなさもガキっぽさも知っている・・・叱る女=母の象徴だからかも(笑)

池袋のロサ会館で観たのですが、ちょっと裏ぶれた感じがこの映画によく合ってました。
入り口の張り紙には、な、なんと早くも上映回を減らす旨のお知らせが!(笑)
私は退屈しませんでしたが、他の人に薦めるのは博打な映画だと思います。
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